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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年4月のニュース一覧
▼[2001.04.30]今すべきこと。。。
▼[2001.04.28]音楽が「音楽」であるために
▼[2001.04.27]READ, OR DIE
▼[2001.04.26]ラジオスタアの悲劇,再び?
▼[2001.04.25]約束はいらない
▼[2001.04.24]季節季節,咲く花,捧げる花
▼[2001.04.23]X架ける橋
▼[2001.04.22]看板に誠意はありや?
▼[2001.04.21]腐りやすい果実
▼[2001.04.19]見上ぐる陽射しよ
▼[2001.04.18]明日に祈る,フリーの教え
▼[2001.04.17]ゴミはちゃんと捨てましょう
▼[2001.04.16]OS Xのなせること
▼[2001.04.14]元彼女の事情
▼[2001.04.13]次元の夜空に,進化の夢をみる
▼[2001.04.12]無限大の価値を造る,MP3
▼[2001.04.11]本当に批判すべきもの
▼[2001.04.10]1秒=1那由他
▼[2001.04.08]川の見えない街よりも
▼[2001.04.07]音楽絞殺の犯人
▼[2001.04.06]見せかけの姦しさ
▼[2001.04.04]悪の華
▼[2001.04.02]OS X FAQですってば
▼[2001.04.01]経験というお宝

■2001年5月のニュース一覧
■2001年3月のニュース一覧


 
[2001.04.30]
  今すべきこと。。。


 ▼Napster clone pushes new, ad-based service(CNET NEWS.COM)【英語】
  http://news.cnet.com/news/0-1005-200-5714860.html


 今はまだ,サーバーを止めればいいだけの話だ。だが,そんな幼稚な対応策をしている場合ではない。本当の,本当のピアトゥピアが来たら,彼らはすべてのパソコンを壊してまわるしかなくなる。本当の解決策を考えるなら,いまのうちだ。今すべきことを間違ってそのまま進むと,音楽も映画も,商業のカテゴリーから消える。

 多くのナップスターユーザーをオープンナップに引きつけたミュージックシティーネットワークス社は,オープンナップでのサービスを停止,モーフェウスと呼ばれる新しい広告付きクライアントソフトをリリースする。ナップスターは12TBの楽曲を共有しているが,ミュージックシティーは20TBを超えることもあった。モーフェウスは,MP3だけでなくすべての種類のメディアを共有できるように設計されている。だが,どれほど収入を得られるか,米国レコード協会の注意をかわせるかは不明だ。

 ナップスターもとことん追い込まれていているようで,かなり厳しいファイル制限を始めたようだ(ZDNet Newsの記事)。ナップカムバックのようなツールを使ったファイルも制限され始めたようで,まじめに厳しい。まっ,なにをやってって,彼らが満足することは一切なく,ナップスターがサーバーを止めないかぎりは嫌がらせは続くのだが。

 ミュージックシティー(pic←オープンナップにファイルが0,モーフェウスをダウンロードしてねというメッセージ)も今のまま始めれば,いずれ規制が入るだろう。だが,オープンナップは止まらないだろう。そして,今はまだナップスターサーバーのような存在のある疑似的な(ある意味ウソの)ピアトゥピアでいるしかないが,すべてのIPが固定となり,そのすべてが共有を行い,瞬時でファイルがやり取りされる,その時。彼らは,なにをどうするのだろうか。つまり,今のごたごたというのは,あまりにも低レベルなのだ。




 
[2001.04.28]
  音楽が「音楽」であるために


 ▼デジタル透かし技術のクラッキング法,公表断念(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010427301.html


 音楽はワイヤードでは,「音楽」でいることができないのだろうか。ならばいっそ,辛苦の罠は解き放たれた方がいい。真面目に,考えても,ね。

 著作権団体「SDMI」による音楽ファイル電子透かし保護技術のクラッキング方法を公開しようとしていた学者グループが,米国レコード協会の訴訟を行うという圧力から,公開を取りやめることを決めた。ほぼ最終稿に近いクラッキング方法は一部ウェブサイトに公開されている。「問題のあるシステムを破った人間に,訴状が舞い込む状況は容認できない」という意見もある。

 週のはじめから問題になっていたが(ZDNet Newsの記事),このような結果になったようだ。まっ,つまりはまともに保護などできないシステムであり,どうぞ採用してください,私は自由に音楽を楽しませてもらいます,となるわけだ。SDMIは,もう2年も前に決めた第1フェーズ(過去記事)も意味なしに終わり,昨年末に固めるはずの第2フェーズも↑のような状況だ。つまり,能無しはなにをやっても無駄ということ。

 日本のオンライン音楽販売でも,著作権管理をしているファイルがあるが,おおむねロクな話をきかない。やれハードディスク間でコピーしたら聴けなくなったとき,プレイヤーにコピーしたくてもできなくなったとか,バックアップを取りたくてどういう手順でやったらいいのかわからないとか。そんな音楽は楽しめるものではなく,「音楽」ではない。私たちは,苦しむための音楽など,手にしない,断じて,絶対,疑いもなく。(追記:概論としておもろいですね,わかりやすいし(^_^),DeSDMI,ネタ元@LYCHEE SOUNDS -Auxtracker-




 
[2001.04.27]
  READ, OR DIE


 ▼米Adobe,電子書籍閲覧ソフト「eBook Reader」の新版をリリース(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0426/ebook.htm


 「初めて会った女の子だった。今までの女の子と似ているのに,全然違う。なんか,光を発しているし,心の中に直接入り込んでくる。僕は,彼女との接し方がわからずにいたけど,触れたくって,感じたくって,…ページを開いた」。

 アドビ・システムズ社は,電子ブック閲覧ソフトの新版「アクロバット・イーブック・リーダー 2.1」をリリースした。イーブック・リーダーのユーザー間で電子ブックの貸し借りや譲渡ができる機能もついた。マック・ウインドウズの両フォーマットに対応し,他社製品との優位性をアピールしている。

 電子ブックの一般的な普及は,遅々として進まない。もしかしたら,やっぱり人間は紙の上の神様から逃れることはできないのかも,と思うほどに。大人気の作家のテキストでもダメ(過去記事)。グーデンベルグの出版革命を覆すべき,次の革命は,まだ起きていない。

 やっぱり紙とはまったく違うんだ(過去記事)。だから,まったく違う接し方が必要だ。紙の魅力はすぐにわかっても,デジタルテキストの魅力を感じる感性を,人間はまだ持てずにいる。「でも,僕が女の子とこんなに話したのは初めてだ。それほど,魅力あるんだ。その眼差し,その唇,その肌と,その感じている頬。死んだって,彼女から離れられない」。




 
[2001.04.26]
  ラジオスタアの悲劇,再び?


 ▼死にゆくインターネットラジオに明日はあるか?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0104/18/e_coursey2.html


 ヴィデオ・スタアの登場で,地に落ちたラジオ・スタア。だが,IPの魔法のローブを身にまとい,彼は甦った。その彼に,また起きる悲劇。だが,この悲劇は終わりの悲劇ではない。彼,が大成功するための,サクセス・ストーリーの一節に過ぎない。

 私は今,愛用のインターネットラジオチューナー「カルバンゴ」の死を座して待っている。製造元の3コム社が,同製品のスタッフをレイオフし,同製品のラジオ検索エンジンも閉鎖されるだろう。インターネットラジオは数が多く,商業的に苦しい時期にあるが,それは成長痛とも考えられる。いつの日か,地上波ラジオが近づくことができない主流メディアになるはずだ。

 ちょっ前から伝えられていたニュースだが(Pierre Design Newsの記事),カルバンゴのラジオ検索エンジンをiTunesやサウンドジャムMPが利用しているだけに不安をあおるものだった。まぁ同様のディレクトリ型ラジオ局登録を提供しているところはあるので,そっちへ乗り換えとなるだろう。どうせならiTunesはオフライン楽曲の絞り込み用に設けてある検索窓を利用して,LIVE365.comのようなオンラインラジオ局のフリーワード検索ができるようにしたらいいのにとも思ってしまうが(どうせラジオ聴くとはオンラインなんだし)。

 記事タイトルは誤解を招きそうだが,ネットラジオ自体に悲劇の面影はみえない。個人が無料でラジオ局を開設できるLIVE365.comをみると(過去記事),わずか1カ月でラジオ局数が3万0,235→3万3,025に,曲目数は8760万→1億220万に増大している。1日ごとに,新しく100のラジオ局が曲を流し始める世界。そんな中で,音楽業界がわめいているような商業音楽の崩壊が起きるわけがなく,その需要をいかに商業的価値へと結びつけていくかの努力が足りないだけだ。すべてのラジオは無線IPで接続される時が来る。すべての人が,彼,を求める。カルバンゴの悲劇は,乗り越え,次へと向こう,サビの前の静かな一小節でしかない。




 
[2001.04.25]
  約束はいらない


 ▼Mac Product Watch: It's all about the media(ZDNet News)【英語】
  http://www.zdnet.com/zdnn/stories/news/0,4586,2671703,00.html


 動画フォーマットは,「約束」の世界だ。リアルビデオをみるにはリアルのやり方,ウインドウズメディアのためにはそのやり方,それぞれの約束に従わなければいけない。その約束をなくすのが,MPEGの使命だが,MPEG4は分裂気味だし(過去記事),MPEG2は強いライセンシーで普及が阻まれている。クイックタイムは,その約束のない土地を目指す。もう,約束はいらない。

 アップル社は,クイックタイム5とクイックタイム・ストリーミングサーバー3を発表した。アップルはさらに,クイックタイムの次期バージョンで,MPEG2とMPEG4のエンコード・デコードをサポートすると云っている。

 云っているだけならいつものことぢゃんと思いきや,アップルのニュースリリースでは,NABで,その次期バージョンのプレビューのデモをやっているとのこと。ホントですか? もし本当ならすごいこと。プロ版へのアップグレードが30ドルだとしたら,それだけでMPEG2エンコードも,本当の標準となるMPEG4のエンコードも可能となるわけで,かなり惹かれる。まぁアップルはクイックタイム5で,MPEG1とMPEG2のエンコード・デコードができるようなことをにおわせたこともあるので,出るまでなんとも云えないが(過去記事)。

 個人が,映像コンテンツを軽々と扱うようになる日は近い。幾億の個人の手から発せられた動画が,ネットワークを駆け巡る。これまでもiMovieやiDVDなどでその流れを捕まえてきたアップルだが,クイックタイムのMPEGサポートはかなりお粗末なままできた。その間に,リアルはよりいっそうストリーミングで幅をきかせているし,ウインドウズメディアは独りよがりなMPEG4の体制を固めようとしている。せっかくの業界標準のMPEG4ファイルフォーマットであるクイックタイムの立場は弱くなっている。もう,約束はいらない,実現の時だ。





 
[2001.04.24]
  季節季節,咲く花,捧げる花


 ▼アップルが5月1日に異例の記者発表(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010421-2.html


 寒きを断つ真冬のチタン,春風招く花と斑。さて,時は5月。新緑の覆い,陽は煌めく。運ばれてくる約束の印は?

 アップル社CEOのスティーブ・ジョブズが,5月1日に記者発表を行うことになった。新型マックのお披露目か,直営店計画の発表が予想される。また,コンシューマー向けノートであるiBookの在庫が品薄になっており,薄型バージョンの登場という憶測もある。

 直営店は遠い海の向こうの話なのでどうでもいいのだが,大した発表の場もなく我慢の時かと思われた第3四半期に(過去記事),なにもなしで終わらすものかという記者発表なのだろうか。7月17日からのニューヨークでのエキスポまで待っている必要はなく,出すべき手はすべて出す,そういう方針のようだ。今年のアップルにとっては,ニューiMac,そしてPDAは大きな目玉となろうし,それらをエキスポに集約するとしたら,ここはG4のクロックアップやiBookの刷新,か?

 思えばあの株価大暴落から(過去記事),ジョブズは出し惜しみをしていない。それは当然のことで,ひとつの季節でも失敗は許されない。無為に過ごせば通り過ぎる季節に,鉄槌を打ち付けていかなくてはいけない。萌え立つ緑の下,約束の印は運ばれる。




 
[2001.04.23]
  X架ける橋


 ▼Mac OS X - 技術とユーザーのはざま(その2)(Mac Fan net)
  http://macfannet.mycom.co.jp/column/applevine/applevine010409.html


 OS Xは,技術的な面に触れたくないという人には,アクアの表面で必要なことは全部行える(今はまだ,戸惑う部分が多すぎるけど)。逆に,技術的な側面に触れたいと思うユーザーであれば,きちんとそれに,全部,本当に全部答えてくれる。そして,その折り合いをつけていく過程が,OS Xの道程となる。難しい課題だ。

 マックOS Xの見せ方は,明らかにコンシューマーを狙っている。と同時に,NeXTとの共通点は多く,各種UNIXのユーザー,開発者にもアピールしている。コンシューマー向けとしてのテクノロジーの隠し方は非常にうまい。リナックス側から参考にすることも多い。だが,従来のマックOSにあったインターフェイスのの一貫性がことごとく欠如しているのは,びっくりするほどの難点だ。

 最近とみに,OS Xのソフトウェアの開発に目を見張る。私はめっきりソフトの更新状況を記しているページを訪れることもなくなったが,OS Xソフトを掲載しているNative OS X Applicationsや,VirsionTracer OS Xのページなどはチェックしている。デベロッパーの動きは非常に良いように感じられるし,アイディアある新しいソフトが,楽しめている。開発者を引き出す力を,OS Xは十分すぎるほど持ちあわせている。GNU-Darwinの活況ぶりはその一例だ。

 OS Xでは,ドックにしまうほどじゃないしと思ってデスクトップが散らかりやすい(OS9のタイトルバーが羨ましくなる)。でも最近使っているスペース・ドックは,それぞれのアプリケーションごとにデスクトップをわけて使えて便利。仮想デスクトップという発想は昔からあるけど,アクアのドックの中で見ると新鮮(pic)。X版のFile BuddyとなってくれているxFilesも使い慣れてきた(pic)。MP3ラージなど,ChaoticSoftwareのX対応の早さもうれしい。問題はテキストエディタで,いまだにクラシックでYooEditだったりするのですな,う〜ん。JeditBBEditも出てますが,シンプルなのを求めているのでvi系を模索中。結構数がありますね,いろいろと試さなきゃ。つことで,X架ける橋はなかなか,盛況なのですよ。あっ,クラシックだけどcaptyでビデオキャプチャーもできてるよ〜(pic←ってこれぢゃOS Xだってわからん(^_^;)




 
[2001.04.22]
  看板に誠意はありや?


 ▼セガが「ゲームキューブ」参入を正式発表,PSOは他社対応へ(ZDII)
  http://www.zdnet.co.jp/zdii/0104/19/hn_025.html


 自分のところの看板に価値をつくるなら,常に前向きな行動が必要だ。ゲームソフトを1枚看板として,その価値を高めていこうという会社であるなら,そのコンテンツにできるかぎりの誠意を示すべきだ。さて,セガにその意は,ありや?

 セガ社は,構造改革に関するアナリスト説明会を行い,任天堂社のゲームキューブへのソフト供給を正式発表した。また,現在,年間150億円程度の赤字となっているネットワーク事業は,ISAO社に集中し,ファンタシースターオンライン(PSO)を他社プラットフォームに対応させる計画を明らかにした。

 な,ん,と,も,もったいないことだ。香山がいてもこの体たらくなところが現在のセガのゆえんか。ゲームキューブに参入するのなら,E3で大々的に発表すればいいものを,アナリスト向けの説明会でしゃべったって,その意味を理解できる人間などわずかしかいないのだ。そして,PSO。どうもきちんと話が伝わってこないところをみると,セガ会長でISAO取締役である福島のその場のぱっと出た発言で,オフィシャルな発言ではないのかという気もする。なんにしても,不用意な,あまりにもお粗末すぎる発言だ。セガにとっても,ISAOにとっても,現在の看板ソフトに対して誠意のかけらも感じられない。

 PSOを開発したソニックチーム社の社長は,ゲームボーイアドバンスで発売したチューチューロケットの話をするたびに,「大川に生前,携帯ゲームならドリームキャストとターゲットが違うから,と了承をいただいたのでゲームボーイで発売することにした」となんどもなんどもことあるごとに云い,ドリームキャストのユーザーに対して誠意を示そうとしている。またその発言は,ドリームキャストを生かしきれなかった自分への悔やみでもあるのかもしれない。なのに,そのソニックチームの「ドリームキャストでの」,そしてすべてのゲームの中でも最高傑作であるPSOを粗末に扱う発言をする上層部との間に感じる,差異。せめてゲームファンに対して大きい舞台で発表するのではなく,なにもわかってない連中に対する発言だ(ソフトの名前すら知らないらしいね,Bloomberg.co.jpは)。悲しくなるねぇ。(参考:セガマニア@大阪さんm(_ _)m)




 
[2001.04.21]
  腐りやすい果実


 ▼Appleの将来性について,ウォール街のアナリストが激論(ZDII)
  http://www.zdnet.co.jp/zdii/0104/20/hn_020.html


 それはリサの頃から変わらないアップルの伝統,とも云えてしまう。腐りやすい果実。それは変わらないが,今回のような奇跡は,今までなかったことだ。

 投資家はアップル社の第2四半期の決算を好感,同社株価は急騰した。今後のアップルに対して楽観的な投資家もいるが,「アップルは小規模な独立系映画会社に過ぎない」とし,将来的な見通しに欠けているという考えもある。今後,コンシューマーPC市場を楽観視する理由など,なんらないことも不安のひとつだ。

 OS X発売という切り札を第2四半期(1-3月)に組み込んでしまったため,第3四半期(4-6月)はちょっと苦しくなるだろう。パワーブックG4 チタニウムは供給が安定するためアップルの柱となるが,ユーザーベースの拡大とはならない。やっぱり,それには以前にも述べたように,新しいiMacしかないのだ(過去記事)。PCが一通り行き渡ってしまった中で,さらに新しいユーザーベースをつかむギミックは,New iMacという神通力を必要とする。

 放置しておくとすぐ腐る。アップルのそういう体質は,さして変わっていない。腐りやすい果実は,周りに腐った果実があると,一瞬で腐敗する。そう考えると,まだまだPCがどうしても売れない状況の中,今回のアップルの業績回復は奇跡に等しい。そして,パーム(CNET Japanの記事),インテル(ZDIIの記事)など,どん底をもがいている企業に,希望を与えている。まぁ,第3四半期はとんとん,そして第4四半期に,夏のニューヨークでの新ハード発表による爆発を期待して,今後は我慢の時となろうが。




 
[2001.04.19]
  見上ぐる陽射しよ


 ▼19世紀の光の下で作品を楽しむ展覧会(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010418207.html


 此処に差す陽の燦々と,優雅の袂と照る愛と,一時遥かに君の目の,中に冴えたる黄金色,握りし義を持て,見上ぐる陽射しよ。

 カーネギー美術館で『「光」展―1750-1900産業時代の美術,技術,社会』が開催されている。今日の美術館では,作品を電灯で照らしているが,まだ人工灯がない時代の芸術家は,陽の光で作品を見ていた。19世紀のニューエコノミーである光に関する展示がなされている。

 そう,ライティングによって見ているモナリザのほほ笑みは,本当のモナリザではないかもしれない。ダ・ヴィンチの見ていたものとは,まったく違うものかもしれない。彼のアトリエに差す光で見てこそ,モナリザはモナリザとなる。。舞台の上で,いかに本当の行動をしても,その劇場空間と,ライティングで,その行動は虚構にしか見えなくなる。舞台の上で殺人が起きても,私たちはそれを,劇にしか見てとれないだろう。

 ワイヤードには,ワイヤードの光が差す。「著作権だ!」「違法行為だ!」と騒いでいる者たちは,モナリザに100円の蛍光灯の灯を照らしているのと一緒だし,舞台の上の懲役千年の悪者に「逮捕する〜」とわめき散らしているのと一緒だ。虚構を現実として生きるものには,現実はあたかも虚構の如き愚かしさに満ちている。その断崖に背を向けて,リアルなワイヤードの陽を浴びる。




 
[2001.04.18]
  明日に祈る,フリーの教え


 ▼Mac OS X: Porting Information(OpenOffice.org)【英語】
  http://porting.openoffice.org/mac/


 そして,もう一度,そして,もっと広く,オープンオフィスであることの意味,そしてフリーが,意味ある教えを示すことの確認。明日のために。

 マックOS X用のオープンオフィス開発のためのポートが利用可能となっている。サン・マイクロシステムズ社は,このプロジェクトを支援し,マック開発者たちの努力により,大いなる成功へと導かれることを信じている。

 昨日の続き(過去記事)。ハードディスクからウインドウズを抹消し,リナックスをインストールする。そしてグノームのデスクトップ環境を入れ,オープンオフィスを入れる。ブラウザにはモジラを使い,メールソフトはパインをロード。…もちろん,それがウインドウズよりも使いやすいなんてことは云わない。はっきり云ってしまえば,ウインドウズの方が楽だ。だが,その「フリー」の環境には,お金では買えない大きな価値がある。ビル・ゲイツのような金持ちと関係を持たずにすむ,それだけでなんと晴れやかな気持ちになれることか。そして,この世界の常識をもう一度,胸の中で反芻する。「情報はフリーであるべきだ。そして,ソースコードは情報だ(ついでに云うなら,音楽も情報だ)」。

 人々の心は正直だ。だから,ソフトウェアも音楽も無料で手に入れる。それを否定することなど,できるわけがない。情報を貪欲に求めるのは,人間である証であるのだ。情報がフリーになったら,金もうけができないって? 違う。情報それ自体はタダになっても,そこから派生する価値は,それ以上に大きくなる。"OpenOffice on the OS X"は,サン社のJAVA戦略が鍵となっている。OS Xが世界一のJAVA環境となっている今,オープンオフィスによってOS Xが普及することは,世界一のJAVA環境が広がることでもある。そして,MSがウインドウズを1個1個売り歩いていることなどバカらしいほどの価値を,サンは手に入れる。ソフトウェア業界はどのように利益を作っていくのか,音楽業界はどのように利益を生み出していくのか,その例を,サンは示している。(参考:SoftwareDesign 2001.1@技術評論社)




 
[2001.04.17]
  ゴミはちゃんと捨てましょう


 ▼オープンソースオフィスパッケージOpenOfficeがMac OS Xに移植(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0104/13/n_openoffice.html


 MSオフィスが使われている理由は,他の人が使っているから,というそれだけだ。他には,ひとつもない。だから,それよりも洗練されていて,なによりも,タダですむものがあるんだから,もうごみ捨て場にでも持っていったほうがいい。あっ,燃えないゴミは木曜日だよ。

 オープンソースのオフィスソフトを開発しているオープンオフィスがマックOS Xに移植されることが発表された。オープンオフィスは,サン・マイクロシステムズ社のスターオフィスをオープンソース化したもの。

 テディ・トッドはまだ小学6年生だ。だが,自分の部屋にはパソコンが2台ある。1台にはリナックスが入っていて,これまでずっと使ってきた。そしてもう1台は,この前の誕生日に買ってもらったマックOS Xが入っているG4だ。テディは云う。「リナックスの方が使いやすい。でも,マックOS XはフリーBSDなので,気を引かれたんだ。アクアとかドックとかのいろいろなギミックは,おまけみたいなもんさ」。

 そんな彼に,学校の先生が宿題を出したりするが,MSワードのファイルで問題を渡したりする。「どうして,どんなマシンでも開けるファイルでくれないんだろう?」。マックにMSオフィスは入ってないのかときくと,「とんでもない。なんでそんな面白くもないものにお金を使わなくちゃいけないんだ?……それにスターオフィスで間に合ってるからもういいよ」。こんな子供を相手にしなくちゃいけない先生も大変だなと思うけど,なにも考えずにMSオフィスを買ってきて使っている,能無しの大人よりはよほど賢い。子供の価値基準の方が,よっぽど正確だ。ゴミと宝ぐらい,ちゃんとつかみわけたいもの。




 
[2001.04.16]
  OS Xのなせること


 ▼Mac OS X 10.0.1! USB,Classic,SSHのサポートが向上(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0104/14/n_osxupdate.html


 人間同士のオープンな開発環境であった基盤を持つマックOS Xは,どろどろした面も引き継いでいる。願わくば,OS Xの採用によって,オープンソースコミュニティーの動きが支援されるくれることを。

 アップル社は,米国時間の金曜日夜にマックOS Xのアップデートを行った。マックOS X 10.0.1となる。USBデバイスのサポート向上,クラシックの互換性と全体的な安定性が向上,セキュリティシェルサービス(SSH)が追加されている。

 ということで,ふいにアップデートしとけと現れるソフトウェアアップデートが稼働。アップデートしてくれました(pic)。ビルドナンバーは4L13となる(pic)。エプソンプリンタのドライバを入れるにはもう一度,ソフトウェアアップデートを稼働させる。アップデートの詳細も掲載されている(MacWIRE ONLINEの記事)。で,取り上げるべきは,SSHとなる。ある意味で,非常に熱い,ソースでもある(ZDNet Newsの記事)(pic)。使い方は,ここいらで(ZDNet Helpdeskの記事)。会社のウインドウズから,自宅マックOS Xと暗号化を施したやり取りをする,などに有用。

 マックOS X 10.0.1で追加されるSSHは,オープンSSH 2.3.0p1,1.5と2.0のプロトコルバージョンをサポートする。SSHコミュニケーションズ・セキュリティー社のSSHのプロトコル2との完全な互換性はない。相互での通信はできる場合もあるが,そうでないこともある。よもやマックOSが,こんな騒ぎに足を突っ込むとは思いもしなかった向きもあるが,裏切った開発者に対し,地道に対応を続けるオーブンソース開発に,ちょっとした意味を持つ。コンシューマーデスクトップでのシェアの拡大は,よい影響を与えるだろう。そして,オープンオフィスがOS Xに移植という最大限に喜ばしいニュースもある(MacWIRE ONLINEの記事)。まぁ,私はSSHを設定しても,グローバルアドレスで動けるわけぢゃないので,あまり意味はないのですが:-D。




 
[2001.04.14]
  元彼女の事情


 ▼話題のサイト『サイコな元彼女』の信憑性(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010412207.html


 貴方は自分の彼女のことをどれだけ知っている? 数えてみるといい。結局,なんにも知らないんだ。いや,知れるわけがない。だから,サイコな元彼女も,貴方の中に存在する。ほら,自分の彼女のことより,サイコな元彼女の方がリアルに想えるで,しょ?

 最近注目を集めているサイトが,「サイコな元彼女」だ。ダラス在住の男性が,元彼女が留守番電話に残していったヒステリックなメッセージをMP3で公開している。だが,広告の出し方や,「元彼女」の素性が知れないなどの理由から,巧妙に偽装されたマーケティング戦略なのではないかという意見もある。

 笑った。面白い。ちょっとのぞき見趣味的な雰囲気を味わえるのも楽しい(別にそんな趣味はないけど)。そう,世界の半分は噂とウソでできている。それは別にワイヤードだけの話ではなく,リアルだっておんなじだ。だから,サイコな元彼女は,存分に楽しんだほうがいい。

 WIRED NEWSが,ウソなんぢゃないか…と取り上げるのも結局はアクセス数増大につながっているのだろう。結局,サイコな元彼女がいようがいまいが,そんなことは関係ないのだ。つまり,テレビの中でしかみたことがないアイドルだっておんなじことで,ようは私の中にサイコな元彼女がいればいい。それがなんらかのマーケティングだって全然構わない。それが面白ければ,なにかお金を出すこともあるだろうし,広告をクリックする人がいるかもしれない。確かなことなんてなにもなくって,私の,思ったことが確かなことになる。世界はそうして作られていく。リアルでしょ?




 
[2001.04.13]
  次元の夜空に,進化の夢をみる


 ▼デスクトップが3Dになる日は近い?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0104/11/e_jackson.html


 OS Xでできなかったこと。その夢のすき間。そして,進化の先を指し示すもの。

 3Dは,「バトルゾーン」の頃と比べてとどめなく洗練され,ゲームでは独占的領域を築いている。だが,他のユーザーインターフェイスでは,拒否されている。ウインドウズもマックOSも,初期のGUIの遺産に縛られている。もっとも,3Dインターフェイス実現の可能性はあり,2Dに縛らせた世界からわれわれを開放してくれるはずだ。

 もし,マックOS Xの発売がもう少し先だったら,いや,マシンスペックの進歩がもうちょっと早ければ,全面3D OSはあり得たか? マックOS Xの2Dを受け持つクオーツは素晴らしく奥行きを感じさせる描画処理を行っているが(pic),3D担当となる オープンGLは,3Dを必要とするアプリケーションのサポートが主で,OS自体ではほぼみられない。こいつが主役となってすべてを描画し,クオーツは必要な時にだけ出てくる,そんなOSをちょっとだけ夢みたりする。

 マックOSは1984年の登場の時,公に初めて,コンピューターの画面に2次元を持ち込んだ。それまでは次元のないコマンドラインの世界だったところに,だ。そして,次元は進化し,近い将来3Dを手に入れる。OS Xではかなわなかったが,XVあたりでの大改革でも夢みよう(^^;)。そのとき,私たちはキーボードとマウスというなんとも不自由な指先を捨てて,360度自由に動かせる手を使えるようになるし,情報の置き場所はX x Yの限られた範囲からX x Y x Zの無限の範囲へと広がる。横と上にしか行けなかった足を,前へ,もっと先へと向けられる。完全なメタファライズのための一歩,そのために,マシンも,OSも,進化を続ける。




 
[2001.04.12]
  無限大の価値を造る,MP3


 ▼理解できないNapsterをめぐる音楽業界のやり口(PCMagazine)
  http://www.zdnet.co.jp/magazine/pcmag/0104/tr010404a.html


 MP3でCDが売れなくなるって? 違う。MP3であることで,そして共有され続けることで,その曲の価値は,無限大にまで大きくなる。その無限大の価値に,人々はお金を出す。間違いない。

 私がレコード業界の重役だったら,ナップスターでうちが販売している音楽を求めているファンを相手に,なにか商品を売り込むだろう。どんな形であろうと,音楽を聴いて気に入れば,人々は商品を購入する。物的財産は希少であるほど価値が上がるが,知的財産は増えれば増えるほど価値が上がる。ナップスターが死んでも技術は生き残る。もう後戻りはできない。ビデオデッキを殺そうとした映画業界がビデオとともに生きているように,レコード会社も変わる必要がある。

 記事中にある,物的財産と知的財産の価値の相違は面白い。すべての人がいい音楽だと思い,無料でナップスターでダウンロードした曲があるとする。それはミリオンセラーがどうしたとかそんな小さな話とは次元が違う。何億というその曲のファイルが人々の間を自由に行き来する。その「価値」がいかに大きいことか。そして,_そこ_から得ることになる収入は,CD100万枚売ったものなどとは比べ物にならないのがわかるだろう。世界が変われば,価値も変わるのだ。そして,世界はすでに次のプラットへと移っている。ついてこれないのなら,置いていくだけだ。

 ナップスター社については,7月からとも噂されるリビジョン・ナップの話が伝わってくる。MP3ファイルを,MP3フォーマットを拡張した「ナップファイル」に変換し,著作権が確認されるものはそのファイルを共有することはできなくなる。で,ナップファイルはナップスターで再生できる。基本的にはMP3ファイルなので,共有を阻止する以外の利用は可能,とも思われるが,さてどうだろう。この話はガセの可能性が大きいし,なにより独自フォーマットによる不便さはナップスター社も,そしてみんなも知っている。みんなMP3は大好きだが,NAPファイルを好きになるかどうかはわからない。なにより,本当の価値を造れるのは,MP3以外には考えられなくなっている。…さて,ナップスターが,ナップスターでいられるかの瀬戸際としての,夏が来る。




 
[2001.04.11]
  本当に批判すべきもの


 ▼Mac OS X日記:Linux,Docklingとメモリ(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0104/09/c_xdiary8.html


 マックの周辺が騒がしい。が,おおむね原因は別のところにある。

 チュック・トポレックの「マックOS Xはリナックスの驚異となるか?」というテキストは興味深い。OS Xはデスクトップリナックスが普及することを阻止する始まりであり,デスクトップにリナックスを普及させようとするデペロッパーの希望と夢をしぼませる。OS Xユーザーは,リナックスユーザーのようにカーネルを追加できるようになったし,リナックス同様にBSDアプリケーションを動かすこともできて,同時にマイクロソフトオフィスも起動できる。

 マックの周辺が騒がしい。リーナス・トーバルトがOS Xを批判したという記事(CNET Japanの記事)があふれているが,どれを読んでもOS Xを批判している記事はない。リーナスは,OS Xのカーネルとなっている「マーク」を批判しているに過ぎないし,そんなのは_いつものこと_だ。リーナスのモノリシックカーネル信仰はなかなかすさまじいもので,それによってリナックスはシンプルさと,それに付随するパフォーマンスのよさを多いに発揮している。ただ,それを「時代遅れ」だとする言い分は十分に成り立ち,マックOS XやウインドウズNTなど進化したOSは,マイクロカーネルの強力な力を発揮している。もちろんリーナスにとっては,マイクロカーネルはすべて敵であり,批判するのは当然。OS Xに的を絞った扇動的なマスコミの見出しが腹立たしいだけだ。そして,記事にあるトポレックのテキストは,その意味で的を得ている。マイクロカーネルとモノリシックカーネルの争いなんて,すでにマイクロカーネルの優位性で終わっているが,リーナスのような意地の人は,マイクロカーネルへの批判は終わらない。

 もうひとつは,デルコンピューター社のマイケル・デルがアップルを批判したという記事(MacWIRE ONLINEの記事)。だが,デルの発言はある意味では真実で,アップルの閉塞性は誰でも感じること。それに対して,批判しているテキストのあまりの幼稚さが目に付くだけ。こんな人間がアップルにエバンジェリストとしてメディアに出ているだけで,アップルの未来は暗くなる(まぁもともとエバンジェリストを自称する輩にロクなものはいないが)。なにが幼稚かって? なら訊こう。ジョブズが85年にアップルを追放されたのはなぜか? それは,デルのようなある意味成功を約束できる経営者を欲したアップルではないのか? ならば,デルが今のアップルに見る目を持たないのは当然のことであり,マックを好きな人たちは,皆,デルの視点と同じ不安を持っている。今のジョブズは20代の頃の彼とは比べものにならない堅実さを持ちあわせているが,それでもやはり普通の経営者とは違う原理で動いているのはわかる。それに不安をおぼえる者はいて当然だ。そんなことも考えらず「好きだと云え」などと云う伝道者など,百害でしかない。




 
[2001.04.10]
  1秒=1那由他


 ▼コンピューターの時計が遅れやすい理由(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010403204.html


 リアルの1秒に,私は地球を1周半し,100万語の言葉を書きつけ,堅牢な扉も叩き割り,100億の独白を伝える。私にとってその時は兆,京,垓,杼,穣,溝,澗,正,載,極,恒河沙,阿僧祇,那由他の時となる。ワイヤードで,1秒の永遠を生きろ。

 コンピューターの内蔵時計は,低品質で信頼できない。その原因は安物の水晶発振器のせいだ。技術の向上で時計の狂いも小さくなっているが,インターネット上のタイムサーバーを利用して,正確な時刻に補正するすることもできる。

 マックの時計はなぜ遅れるのか? というのはよく聞かれることだ。ほんとに,遅れる。正確に計ったことはないが,1日に数秒は遅れているような気がする。パソコンでラジオの録音やテレビの録画をしようとしていると,しょっちゅう遅れているのに気付く。まぁタイムサーバーと1日1回やり取りすればすむ話だけど。

 だが,ネットワークにとって,時分秒という単位はあまり意味がない。午前0時の私の1行前には,午後1時の人がいる。10日午前0時に出したメールに,9日午後10時の返信メールが戻ってくる。やっかいなことだ。人間はリアルでは,100メートルを超人でも9秒ちょっとでしか移動できないが,ネットワークでなら,1秒で地球の果てまでも行ける。1秒で100万のサーバーを稼働させることもできるし,1秒で100万人に言葉を送り,1秒で君の心をムチャクチャにすることもできる。1秒,即ち那由他の時が,ここでは流れる。私たちは時計を捨てて,その時に身体を預けて生きるべき,だ。




 
[2001.04.08]
  川の見えない街よりも


 ▼コアOSを変更したアップル,Mac信奉者にとっては敷居が高いMac OS X(eWEEK)
  http://www.zdnet.co.jp/eweek/0104/03/01040304.html


 引っ越しを境に,僕は精神を病んでいった。彼女は,僕に云った。「川の見えない街で ずっと暮らしてゆくの?」

 アップル社は,BSDユニックスのパワーと,マックGUIの柔軟性を結合したモダンなOS,マックOS Xをリリースした。プリエンティブマルチタスクと保護メモリ機能を実現しながら,ほとんどのOS 9アプリケーションが動作。強力な開発ツールも付属する。だが古くからのマックユーザーは,家の中を勝手に模様替えされたような大きな違和感をおぼえるかもしれない。

 なにが原因かなんて,わからなかった。苦手な人付き合いも以前と同じ,別にうまくいっているわけぢゃないけど,気に病むほどじゃない。だが,日常の中で,目は眩み,心の崩壊の音を聴いた。なにが原因か,誰もつかめずにいたのだ。だが,療養のためにと以前住んでいた場所に戻って来て,気付いた。川の流れが,僕の心を静めた。僕は,生まれてこのかた,この川から離れて暮らしたことがなかった。跳ねる水飛沫,陽の光を照らす水面,そして,あの日,風に舞った彼女の麦藁帽子を運んだ川の流れ。たったそれだけのことだったが,僕には,川のない街での生活は耐えられなかった。

 麗しのマックOS Xは,使いやすさに多少の支障を持っている。iCabのブックマークが文字化けするとか,意味不明のアクセス権でファイルアクセスができないこともあった。だが,便利な街であっても,生きていけないこともある。いつも暮らしていては気付くこともない,単なる川の流れに,救われていることもある。それがなくちゃ,ダメなこともある。この川の流れに,僕は,答えをみつけている。




 
[2001.04.07]
  音楽絞殺の犯人


 ▼米Yahoo!とDuet,オンライン音楽配信でデュエット(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0104/06/e_yahoo.html


 この騒ぎが,見せかけである理由。そして,このままでは,彼,が絞殺されてゆく,理由。

 ヤフー社は,ユニバーサルミュージック社と米ソニー・ミュージックエンタテインメント社の音楽配信事業「デュエット」と提携,ヤフーサイトで音楽配信サービスを提供することを明らかにした。リアルネットワークとレコード会社3社のミュージックネットとの溝を露にした点で意義深いとも云える。

 昨日の続き(過去記事)。ソニーとユニバーサルによるデュエットは,ヤフーと手を組んだ。BMG,EMI,ワーナーは既報通り,ミュージックネットを形成している。2枚岩かとも思えるが,ユニバーサルは,Eミュージック買収に動いているという驚きの話があり(ZDNet Newsの記事),以前からソニーと微妙に距離を置いている節もあって落ち着かない。5大レーベルが1つになるのではなく,こんな支離滅裂状態になっているのは,当然,音楽の未来のためではなく,それぞれが自分の利益主導で動いているからだ。オンラインでの音楽配信は,お店に置いていたものをサイトに乗っければすむ問題ではない。プロモーションの仕方も,価格決定も,それ以前に,「音楽の価値」も変わる。その価値を考えている者が1人としていないのが,最近の騒ぎの欠点だ。

 ドットコムの悲劇に巻き込まれてCEOもいないヤフー,ストリーミングのトップに立っていても全然未来がみえないリアル,ネットワークでどうしてもトップに立つことができずにいらだつMSが,それぞれに音楽配信で手を挙げている。そんなそれぞれ苦境にもがいている者と,生まれつき無知と傲慢の塊のレコード会社がくっついて,新しく生み出せるものなど,ない。だ・か・ら,「新しい」血が必要なのだが,まぁ親の敵のようにナップスターを叩き続ける姿勢のレコード業界をみてるとそれはないのだろう。そして,このままならレコード業界は退化の血にむしばまれていくだけで,明日は,ない。音楽は,その愚かな時間に首を絞められ続ける。そして,死ぬんだよ。




 
[2001.04.06]
  見せかけの姦しさ


 ▼米MTViと米RioPort、有料の音楽ダウンロードサービス開始(Impress INTERNTET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0405/mtvrio.htm


 ナップスターの上院上陸(WIRED NEWSの記事)に合わせるかのように,音楽配信のニュースが姦しい。今までだましにだまし続けてきた音楽配信事業,これらは,本物か?

 MTV社リオポート社は,大手レコード会社5社とライセンス契約,音楽配信サービスを行う。リオポート社のCEOは,多数の楽曲と簡単で安全な体験を提供することで,デジタル音楽市場を開拓できるとしている。

 姦しさの先陣を切ったのは,リアルネットワークス。BMG,EMI,ワーナーの3社と契約してミュージックネットを発足した(ZDNet Newsの記事)。つまりこの3社は,5大レーベルの残る2社,ユニバーサルとソニーが夏にも始めるという音楽配信「デュエット」と袂をわけた感じも受ける。そして,そのソニーとくっつかず離れずと微妙な立場をとっているユニバーサルと繋がりを持つ技術を採用するMSのMSNミュージックも発表となった(ZDNet Newsの記事)。乱れ飛ぶ思惑と意図。そしてそして,そんな中で5大レコードすべてと契約して,一気に本命候補に浮かび上がってきたのが,MTVとリオポート。まぁ,堰を切ったかのように音楽配信が動いているようにみえる,とりあえずは。

 ただ,こんな簡単に物事が片づくのだったら,ナップスターはあそこまでの怪物にはならなかったのだ。はたしてMTVのサービスがいくらの価格に落ち着くのか,ファイルはどこまで自由に扱えるのか,そして,本当にその音楽は,私たちを楽しませてくれるものなのか。なにもわからないままで,…おおむね,これまでの経過からすると,よいサービスは望めない。もともと,彼らと妥協点などないのだ(過去記事)。ミュージックネットもMSNミュージックも,そしてMTVも,レコード業界の理不尽な要求の中で,まともな事業など覚束ないのは目に見えている。ポケットの中の,「すべてを破壊する」ピストルは,いつでも取り出せるようにしておくべきだ。




 
[2001.04.04]
  悪の華


 ▼【主張】愚かなことはよしなさい(産経新聞)
  http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku2/html/130401news04.html


 拝啓,お茶の間テロリスト様。命を落とす用意はできてますか?

 文部科学省産経新聞社扶桑社のサイトが,検定中の中学歴史教科書への抗議として攻撃を受けた。歴史を歪曲させている責任がある団体として,韓国国内から集中的なアクセスがあったもの。どうせアクセスするなら愚かな行為を行うのではなく,産経新聞の有料サイトにアクセスして,これまでの教科書問題の報道をじっくり読み込んで欲しいものだ。

 新聞社が社説で,サイト攻撃者をたしなめるというのも聞いたことがない話。それも,「どうせアクセスするなら有料サイトに来てね」という論説の立て方は,いかにも産経の論説者らしい小気味いいものだ。だが,文部科学省へのアクセスは通常の60倍とのことで,さして大掛かりな攻撃でもない(それでも回線容量の2〜3倍だったそうだが)。DDosなどでもなく,単なるアクセスの寄せ集め。国際的な抗議を行うにはほどよい攻撃だ。

 悪になるなら徹底してやらなきゃダメだ。悪の限りを尽くし,すべての財宝欲望を奪い,自分に邪魔するものは徹底的に排除する。平和なところには間違っても顔を出さない。すべてを賭けて,賭け続けて,失敗したらきれいに散って,死ぬ。その心があれば,悪として生きればいい。私はそういう悪人は,いてもよいと思っている。…さて,お茶の間からサーバーを攻撃して楽しんでいる人たちに,その心はあるだろうか。もしそんなものなくて,中途半端な気持ちのいたずら心でやっているのだったら,韓国人だろうがなんだろうが関係ない。失せろ。




 
[2001.04.02]
  OS X FAQですってば


 ▼Mac OS Xが届きました! ファーストインプレッション(Mac Fan net)
  http://macfannet.mhttp://macfannet.mycom.co.jp/special/macosx_ship/0324osx1st.html


 マックOS Xに関する記事はウェブにあふれているので,この欄は私の個人的なFAQです。他の方にはてんで関係ないと思いますので,気にしないでくださいってば。

 カスタマイズできるツールバー,使い勝手が向上したドック,再起動なしで設定の変更ができるインターネットアクセスなど,注目点が多いマックOS X。まだまだ粗削りだが,アップル社が明言するように,これは生まれたばかりのOSであり,今後のブラッシュアップが期待される。

 つーことでやっとOS X 10.0を使う毎日になってます。以下,私の個人的な自問自答FAQ(^_^;)。「インストールはどおよ?」私はパブリッププレビュー(PB)版に10.0を上書きインストールしたのですが,各種設定やアプリはそのまま残ってました(ドックにも残っていた)。んでもプレビュー版が入っていることを認識して,不必要なものを削除しながらインストールしているのがわかりました。賢い。「サウンドの入力はできますか?」できません。泣けます(T_T)。サウンドポートから入力した音を再生出力するコントローラーがまだ整えられていません。うぅっ。でも方法はあります。SoundJam MPのOS X版をインストール。サウンドジャムMPの「Tool」メニューの「Play from Sound Input」で入力サウンドを聴けて,「Record from Sound Input...」で録音も可能です(録音中は音が聞こえなくなりますが)(pic)。つーか早くOS自体でサポートしてください(T_T)。「EGBRIDGEは使えてますか?」。PB版で使っていたEGBRIDGEは設定ができなかったりして使えません。10.0に対応している試用版が新規に配付されているのでそれに入れ替え。順調に使えてます。

 「英語フォントは?」日本語フォントも驚きですが,英語フォントもいい感じです(pic)。「初期設定ファイルはXML?」ですね。知識があればいぢくれます(pic←Finderの設定ファイル)。「MP3周りはどぉ?」iTunes 1.1をインストール。iTunesでストリーミングも聴けるし,リオへの転送もできます(pic),エンコードもOK(pic)。「USBデジカメはどでしょ?」富士フィルムのファイン・ピクスをUSB接続するとイメージ・キャプチャーが起動して,デスクトップにマウントされます(pic)。白箱アイコン。「ZIPは?」私の環境は内蔵ZIPを付けているのですが,ちゃんと認識されます(pic)。これも白箱アイコン。「ログインウインドウはやっぱり変更するのですね?」はい,します(^_^;)。ログインウインドウの画像は「/System/Library/CorServices/loginwindow/Resources/loginpanel.tiff」にあります。Systemディレクトリの内容はOS X起動時には変更できないのでOS 9で起動。とりあえずこれに差し替え。ちなみにブート時の画像は「/System/Library/CorServices/SystemStarter/QuartzDisplay.bundle/Resources/BootPanel.pdf」にあります。そのうち作りましょ。




 
[2001.04.01]
  経験というお宝


 ▼マイクロソフトとセガが提携! 11タイトルをすでに開発中!(電撃オンライン)
  http://www.dengekionline.com/news/200103/20010330/20010330tgs33.html


 セガのいちばんの能力とはなんだろう? 他を圧倒する開発力? いや,優秀な人材は探し集めることができる。だが,まだ誰もしたことがない経験を買うことはできない。それに対する評価をきちんとすること,それがXボックスの命題だ。

 東京ゲームショウでのマイクロソフト社,ビル・ゲイツ会長の基調講演では,セガ社との長期的戦略的提携が発表された。セガ社はXボックス向けに11タイトルを開発中,さらにマイクロソフト社からアグレッシブな提案があったとし,合意に向け検討中とのこと。

 MSにとって,セガというタイトルホルダーによってXボックスのテイクオフを飾れるのは,最大の喜びだろう。改めて考えると,Xボックスの発売までのロードマップと,セガのハード撤退ソフト注力の流れはきれいに重なっている。Xボックスへの参入は自然な流れに思えるし,なるべくしてなった,感じだ。

 セガのいちばんの宝は,ゲーム開発力なんかよりも,コンシューマーネットワークゲームの「経験」だ。いまさらなんたらonline.comとか立ち上げているようなメーカーとはわけが違う。回線スピードとの兼ね合い,ネット用のデータの作り方,その限界点,サーバーの負荷を抑えるための工夫,タイムラグを感じさせない技術。これからひとつひとつ実験をしなければいけないメーカーと,すべて経験済みのセガとでは,比較にならない。MSのセガを迎え入れる態度は真摯なものがある。その経験の価値を知っているからできることであり,そして,Xボックスはその価値を取り入れて登場してくるだろう。




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